雑念の供養

いつかどこかの誰かのために。遠くて深くて届かない声の記録。

激安自転車と共に

今週のお題「外でしたいこと」

暖かい日には

やっと嫌いな冬が終わった。天国のような夏に向かって春の匂いを感じつつやりたいことがある。 サイクリングだ。しかし、いま手元にあるのは昔その辺のホームセンターで買った激安自転車のみ。

今日そんなオンボロ自転車でも近所の真っ直ぐな道を競輪選手も驚きのスピードで風を切って走ってみた。 散りかけた桜を横目にとても気持ちよかった。

長い長い直線で信号もない綺麗な道をひたすら走った。

前から見える木々。桜が散る瞬間、そんな終わりかけの桜の木を横目に昔の色々な想いが蘇ってきた。 ああ、学生時代の入学式、春の匂いと共に不安な気持ちと期待をまき散らして、 校門に向かっていったなとか、胸がキュッと締め付けられるような感覚になった。

そんな淡い思い出に浸っていた時に、ファミレスの横を通り過ぎた。 ガラス越しに見えたお客さんの風景。 専業主婦やリタイヤした夫婦、家族連れ、苦しそうな顔も見えれば笑顔も泣き顔も。

自分が必死こいて働いてる世界もあれば、平日真昼間にこんな楽しそうに談笑してる人たちもいるんだなと、 少しやりきれないような気持ちにもなった。 もしかしたら逆から見えている世界も同じようなことを考えてるのかもしれない。

歩いている人も忙殺されている日常では目に止めもしない。 いや、できないけれどいろんな表情を発見できた。

幸せそうな顔もたくさん見れた。 無邪気に遊んでいる学生、泣きじゃくってる赤ちゃん、散歩している老人。

普段と違う行動をすると、普段と違う世界が見えてくる。 そんな小さな違いに気がつくことができた日には、少し自分を褒めてみようかな。 暖かい気候と共に新たな世界を少し見れたように思えた日でした。